さいちゃんの教会音楽な日々 -4ページ目

のんびりとレッスン^^;

 最近ミクシィに気を取られて、夏休み以降放置していたこのブログですが、またぼちぼち書いていきます。懲りずにお付き合い下さったら嬉しいですm(_ _)m


 今日は久々のオルガンレッスン。夏休み前に行ったきり、私の里帰りと先生の休暇でずっと休みだったのだ。

 教会で少し練習してからレッスンへ行こうと思ったら、バスが道路工事による迂回に引っかかって遅れ、接続の電車を逃してしまった。このままだと10分遅れて着いてしまうので、先生に電話してみたら…

先生 「ハロー。…あっ!!うわーっ、しまった、ごめん、忘れてた!!今、教会にいるのか?」と大慌て。

私 「…いや、あの…電車を逃して、10分遅れるって言おうとしてたんだけど…(汗)」

先生 「ん?レッスン何時だっけ?」

私 「15時…。(この時、時刻は14時45分)」

先生 「そうか!よかった。君が10分遅れならむしろちょうどいい。んじゃ、後ほど!」

私 「はい、後ほど~!」

…せんせー、たまにしか来ない不肖の弟子のレッスンぐらい覚えててくださいよ……(汗)
(後で聞いたところによると、私のレッスンは手帳の間違った週に書き込んであったそうで汗


 こーゆーやり取りをしたからには、15時10分に教会で落ち合ってレッスン出来そうなものなのだが、私は15時10分に着き、先生は家を出る直前に電話でつかまったとかで「ごめん~」と言いつつ15時20分に来た。いつも通りである(苦笑)

 そうそう、初めてオルガンレッスン記録を読む方のために断っておくが、私はこの先生とはドイツ語で言う"duzen"の関係、つまりお互いをファーストネームで呼び合い、敬語を使わない親しい関係である。別に年が近いわけでもないのだが、これは先生の方針(?)で、最初にレッスンを受けた10年前からそうなのだ。長い付き合いでもあるし、最近とみに日本の師弟関係では考えられないようなお気楽(?)な関係になってきている。



 さて、この不肖の弟子はよりによって先週始めたばかりの、メンデルスゾーンの前奏曲とフーガハ短調の、前奏曲の方をレッスンに持参。というのも…

私 「金曜日に金管アンサンブルが宗教改革記念日のコンサートをするんだけど、そこで何か1曲弾かなくちゃいけないのね。で、この曲弾こうと思って先週から始めたんだけど、間に合わないんじゃないかと危惧しているところ。」

先生 「なるほど。金曜日っていったらすぐじゃないか。どれどれ」

というわけで、まず一通り弾いてみたのだが…

先生 「今まだゆっくり弾いてるんだと思うけど、この曲のテンポってどれくらいだと思う?」

私 「今まだ弾けないけど、これくらい」 (と最初だけ弾いてみせる)

先生 「うん、alla breveで考えてるわけね。了解!実際、この曲はalla breveなのさ。」

 ほぉ。表記はCになってるんだけど。先生と意見が合ったぞ(笑)
 (※ 音楽に詳しくない方には申し訳ないのだけれど、alla breveについての説明は、長くなるので省略させてくださいm(_ _)m 要するに、拍の取り方の感覚だと理解してくださればそれでOKです。)

 で、この曲長く弾いてないなぁ…とか言いながら、先生が最初の部分を弾き始めたのだが、とにかく


速ぇぇぇー!!


 先生のテンポはすごく速いような予感がしていたのだが、拍感もこれじゃalla breveじゃなくて、alla longaeじゃあるまいか?(笑) ←注:そんな概念はない。


先生 「ハイ、弾いてみて。……あー、そんなゆっくりでなくて!危険は冒すからこそ面白いのだよ(笑)」


 いや、ですからまだ指が回らないんですけど…と思いつつ、言われた勢いで弾き始めたら1ページ目の終わりであえなく崩壊したが、当の先生は気にしている様子全くなし(爆)


先生 「そう、そこはペダルを聴いて!ペダル主導でどんどん先へ持っていく。……こういう盛り上がるところはどんどん前へいくんだ!バロックとは違うのだよ」


 毎度のことながら、もー煽る煽る(笑) さしずめ、川を泳いで渡るかどうか岸辺で迷っている私の背中をどんと押して落っことして、ホラ泳げー!って声援を送ってるみたいであるあせる
 だからといって、テクニック的なことを注意しないかというとそういうわけでもない。8分音符を弾く時の手の使い方がバロック奏法になってしまっている、と指摘して、違いをやって見せてくれた。私は元々がピアノ弾きなので、オルガンを弾く時にはピアノとの違いに気をつけてやってきたつもりなのだけれど、どうも私の理解している「違い」は必ずしも正しくないらしい。今回先生が見せてくれた8分音符の奏法は、むしろピアノの弾き方にずっと近いもので、確かにその方が音楽の流れがスムーズになる。この辺のテクニック、どう使い分けるかは私の課題だな…。


 私が一通り弾き終わった後、また先生が「うわ、ここ弾けない!」とか言いつつ一通り弾いてくれたのだが、半分初見状態で音なんか全然合ってないにもかかわらず、先生の場合音楽の流れが明確なのだ。で、曰く

「音なんか間違ったっていいんだ!それで世界が終わるわけじゃない。それより、音楽の流れを最初から練習に組み入れるんだ。その方が、結果的に身体が動きを覚えるのも速くなるのだよ。」

 うーむ…。
 間違ったっていいといっても限度はあると思うが、細かいことにこだわりすぎて大局を見失っている、という先生の指摘はさすがに鋭い…と思った。私の悪い癖なのを、先生もちゃんと知ってるわけで(苦笑)
 あと、学校やコンクールでいい点数をとるための演奏と、聴衆の心に届く演奏とは違う…ってことを言いたいんだろうな、とも思う。いつまでたっても型にはまったやり方で曲に取り組んでしまう私を、早いところ自由にさせたいんだろうなぁ…^^;


 …で、音は全然合ってないのに音楽的な先生の演奏を聴いているうちに、この曲金曜日に弾くのや~めた、って気分になってきた(爆)
 この調子で必死に練習すれば音は弾けるようになると思うけれど、音楽的に十分なところまで煮詰められないと思うし、その状態で弾いても不満が残るだけだし。

先生 「10月31日ってあと4日しかないねぇ。」

私 「これ弾くの、やっぱり危険だよねぇ。」

先生 「うーん、そうだなぁ。でも、君が決めることだからね。」 ←絶対ああしろこうしろと言わない^^;

私 「やめてカール・フィリップ(大バッハの息子)のソナタ弾こうかなとも考えてるんだけど。」

先生 「ああ。メンデルスゾーンってプログラムに書いてあって、カール・フィリップ弾いても誰にもバレないよ、多分。」

……さすがにそれはないのではないか、先生よ(爆)

私 「大丈夫、プログラム作るのこれからだから。」

先生 「いやぁ、メンデルスゾーンだって1日8時間練習すれば間に合うんじゃないか?日本人なら出来るだろ?(とニヤリ)」

私 「……他に仕事がなければね……」

先生 「そうだなぁ。それに君はもう半分日本人じゃないもんなぁ。アッハッハ」


どういう意味だよ、それはっ…ビックリマーク

……本日も口の悪さは絶好調の我が師匠であった……(爆)



 ところで、我が師匠は好き嫌いも結構激しい。

先生 「この曲、メンデルスゾーンの中では数少ない、僕の気に入っている曲なんだよね。」

私 「へぇ~。でも、前奏曲の方だけで、フーガは嫌いなんでしょ?」

先生 「当然!!」

 てな具合である(爆) 私の知っている限り、ロマン派のフーガと8分の6拍子は嫌いなのだ。嫌いな曲を持っていくと、曲を罵倒しながらレッスンしてくれる。(一応それでもちゃんとみてくれるところがミソ^^)


 ちなみに時間が余ったので、10月19日のコンサートですでに演奏済みのモーツァルトの教会ソナタハ長調もみてもらったのだが、こちらは私のテンポが速すぎるというご意見であった。

「それだと、速いだけできれいじゃなくない??」

 一理あるような気もするけど…先生のテンポ設定はたまによく理解できない時がある^^;
 自作のカデンツァも披露したら、「いいじゃない、バッチリ当時の様式にはまってるよ」の一言で終わってしまった。でも、何となく…先生なら、もうちょっと胡椒のきいたひとひねりならぬ、胡椒を粒ごとぶち込んだひとひねりを入れてカデンツァ作りそうな気がするんですけど(爆) 今度模範カデンツァ作ってもらおうかなぁ^^;


 ともかく、今日も過激で楽しいレッスンであった(笑) にしてもこの不肖の弟子はもうちょっと練習しないとねぇ…。10月はコンサート続きで忙しかったけれど、11月はこれといった本番もないので、ちゃんと時間を取ってまじめに練習したいものだ。









嬉しかったこと2つ(^^)

 かなりバテバテ気味で迎えた木曜日だけど、今日は嬉しかったことが2つ。



 まずは、ホイマーデン教会に


 新しいオルガン椅子が到着。

 
Orgelbank  2年前から交渉していて、やっと新品到着。
 真新しい木の匂いがたまらなくいい感じ…!(うっとり)

 古い椅子は高さが変えられないタイプで、私はかろうじて何とかなる高さだったのだが、他のオルガニストは困ってた…はず_ _;
 初心者のレッスンをする時なんか、椅子の高さをまず決めなくては身体が上手く安定しないので、本当に困りものだった。

 それで牧師&役員会と交渉していたのだけれど、最初は「今ある椅子の足を切って、木のブロックを下に置いて高さを変えるようにしたら…」という話になっていた。で、見積もりを出してもらったらなんと

 400ユーロ!!

 ただ単に足を切るだけなのに、なぜそんなにするの?だったら(もちろん高くつくのだが)、ハンドルを回して高さの調整の出来る椅子を買った方が… ってぶつぶつ文句を言った(^^;)のが去年の12月。
 Orgelbank-memori
 その後予算等々どうなったのか、実はよく知らなかったのだが、ついに新品到着…ってことは、私の希望を通してくれたわけである。

 しかも、高さを表す目盛りがちゃんとついている!これはありがたい。オルガニストの常套手段として、よく使うオルガンの椅子に鉛筆で自分の高さを書き込んだりするのだが、この目盛りがあればその必要がない。自分の椅子の高さが、何センチが覚えておけばいいわけだ。

 予算のめどが立たないようだったら、どこかから中古の椅子を安く譲り受けるとか何かしないとなぁ~と思っていたのだけれど、良かったぁ♪
 参考までに、あとでこっそりお値段も聞いておこう…(苦笑)



 夜はシュテックフェルトで、夏休み前最後の合唱練習。今日から本格的に、秋のコンサートプログラムの練習に取り掛かった。ハイドン&モーツァルトで、レベル的にはうちの合唱団にとってあまり問題がないので、楽しくやれるプログラムだ。
 ドイツで夏休み前というのは、日本でいう「年度末」にあたり、1年の1つの区切りである。今日は練習後にみんなで持ち寄りパーティー(もちろんワインつき^^)をすることになっていた。
 手早く(でも持ち時間はいっぱいいっぱい使って)練習を終わらせたのだけど、そうしたら最後に突然メンバーの一人が立ち上がって

BlumenRose

「今年も1年ありがとう」と、花束を持って来てくれた(*^^*)

 みんな、ありがとう~(感涙)


 所用で出かけていた牧師がパーティーの途中で戻ってきて合流、そこでも改めてお礼を言われて、嬉しいやら恥ずかしいやら(笑)

 …でも、本当はお礼を言わねばならないのは私の方なのである。
 この合唱団に出会って、初めて合唱指揮が楽しいと思えたのだから。

 もちろんアマチュアだし、技術の問題はたくさんあるけれど、みんなが真剣に音楽に取り組むところに、必ず結果はついてくる。
 その楽しさを知っている前向きなこの合唱団だからこそ、私も自分の持っているものを全部注ぎ込んで、みんなと一緒に頑張ろうと思った。私が一生懸命になれば、みんなもそれに応えてくれた。まだまだ駆け出しの私の方に問題がたくさんあったし、今もあるわけだけれど、ここ2年半の間にこの合唱団に刺激されて、私自身もすごく成長できたと思う。
 だから、本当は私が「ありがとう」を言わねばならないのだけれど…今日はそれが出来なかった。
 でも、いつか言える機会があったらな…と思うし…何より感謝の気持ちをパワーに変えて、今後も合唱の仕事を頑張りたい。

 とってもとっても嬉しくてまた夜眠れなくなってしまった、夏休み前最後の練習日だった(*^^*)












ついにやっちまった…(笑)

 事の始まり(?)は2週間前、前回のシュテックフェルトでの合唱練習の後。
 前回の練習日、6月19日はサッカーのドイツ戦だったので、合唱練習をいつもより30分早く終えた。サッカーファンが観戦のため大急ぎで帰ったあと、椅子の片づけを手伝ってくれた団員のおじさんたちとしばらくダベっていた。
 合唱団の次の出番は、7月13日のローテンベルク教会での礼拝なのだが、そこで歌う曲の話になった。シュテックフェルト教会のJ牧師の提案で、合唱団の元指揮者であり、亡くなった引退牧師H氏(2006年9月21日の記事 参照)の作った讃美歌"Ich bin verknügt, erlöst, befreit"(私は楽しまされ、救い出され、自由にされている)を歌うことになったのだが、その歌について一人のおじさん曰く、


 「残念だよなぁ。この歌をH氏が四声(合唱用)に編曲していなくて。」



 ……!!


 そか(*゚Д゚) 四声にするのは私がやればいいわけだ。


 幸い、6月26日は合唱練習が休みで、2週間あるし余裕♪なんてその時は思っていたのだが…いつものように寸前にならないと尻に火がつかない私のこと、ようやく作業に取り掛かったのは昨日であった(苦笑)
 言葉のリズムやアクセントに気をつけて和音やリズムを決める、という初歩的な部分はもちろんだが、礼拝まで残りの練習が2回しかないし、あんまり難しくしたらきっと歌ってもらえないよなぁ…と思ったので、なるべく各声部の音があっちこっちへとばないように気をつけながら曲を書いてみた。やろうと思えばいくらでも複雑に出来てしまうものなのだけれど、意外に単純かつきれいな編曲をするというのは難しい。
 といいつつも、四声にする作業自体は3時間ほどで終わった。でも、自分で書いた楽譜はほとんど「スケッチ状態」なもので、歌ってもらうにはキレイに清書せねばならない。(もちろん今日、音楽ソフトウェアなんてものもあるわけだが、実は持ってない^^;)
 更に合唱曲は何が大変って、音符の下に歌詞をきちんと書かねばならない。それをミスなくやるのは本当に手間のかかる作業である。仕事の合間に時間を見つけては楽譜を書き、間違っては修正液塗りまくりながら、合唱練習開始20分前になってようやく完成!!牧師館に駆け込み、「うわ、これは大変な作業をしたもんだね@_@;」とJ牧師に目を丸くされながら、コピーしてもらう。

 で、いよいよ合唱練習。私をこの作業に駆り立てた(!?)おじさんは、この日休みだったのでちょっと残念。
 「四声にしてみたけれども、どんな風に響くか歌ってみないとわからないです。もしかしたら練習の後で『私はなんとゆー駄作を作ったんだ、やっぱり歌うのやめよう』って言ってるかもしれないけれど(←ここで笑いを取る^^;)、とりあえず練習してみましょう」と言って、練習開始。
 今回私が作った合唱版では、ソプラノがいつも讃美歌のメロディーを歌うようになっている。すでに前回の練習でメロディーの音取りは終わっていたので、他のパートの音取りをしてソプラノと合わせるというやり方で練習していったのだが、最初に二つの声部を合わせた時に合唱団のメンバーの目の色が変わった。どうやら気に入ってくれたようである。最初の部分を四声で合わせた時には、あちこちから「キレイ~!」「いいよねぇ」という声が聞こえたので、私も嬉しくなって調子に乗ってしまった^^;
 一通り歌い終わったら、みんなが拍手してくれた。私自身も、意外ときれいに響いたので驚いた。(←本人が驚いてどうする…爆)しかもなるべく難しくならないように作ったかいがあって、7月13日のローテンベルク教会の礼拝に間に合いそうだ。
 更に合唱団の方から、「これは絶対、うちの教会の礼拝でも歌わなくちゃいけないわよ!」という声が…^^; 「歌わなくちゃいけない」って、そこまで言っていただけるなら本望でございます(*^ ^*) ぜひ歌ってやってくださいまし。

 大学の作曲法の授業でこの手の作業はさんざんやらされるので、メロディーに和音をつけて四声に編曲するのには慣れているけれども、書いた曲を実際に合唱団に歌ってもらうのは今回が初めてだ。だから、「歌ったらどういう響きになるか」をイメージしながら書くのに、実は苦労していた。でも、大学で机上でやっていたことが、実際に役に立つと今回はっきり証明されたと言える。やはり大学ではいい勉強(=職業訓練)をさせてもらったなと実感させられた。

 編曲も含め曲を書くことも、実は教会音楽家の仕事の一部である。大先輩たちは、毎週のように礼拝に向けて曲を書いていたのだ。しかも、次の週の礼拝に呼び寄せるのが可能な歌手・合唱団・楽器の編成で、臨機応変に曲を書いていたのである。今日の教会音楽家は、やろうと思えばその過去の遺産だけで十分礼拝の仕事をこなしていけるのだが、今でも自分の持っている合唱団向けに曲を書く教会音楽家もたくさんいて、曲はどんどん増えている。

 そういう意味で


 ついにやっちまった…


 な気分(爆) まさか自分の合唱団のために曲を書くなんて、今まで全く想定してなかった…^^;

 でも、考えてみると作曲法は、ピアノ科の頃からずっと私の得意科目でもあった。基本的にこういう作業が好きなのだと、改めて今回思ったのであった。また機会があったら、ぜひやってみたいと思う。








トレジャーハンティング その2

 「トレジャーハンティング その1 」に引き続き、今日もSさんのご実家にお邪魔。
 今回は前回ほど時間はかからないだろうと思いつつ、続きに取り掛かる。昨日、シュテックフェルトの合唱団員が一人お宝発掘に来たとのことで、またいろいろ箱が動かされていたが、Sさんいわく「あなたが手をつけていないって言っていた場所は、そのままにしてあると思うわよ。」 ……覗き込んでみたら、手をつけていなかった場所のレコードも量が減っているような気はするけれど…まぁいいや^^; とりあえず私の「どうしても欲しいもの」「保留」の山はそのままにしておいてくれたので。
 残りの箱をいろいろ開けてみる。また私の専門とはあまり関係のない流行歌のレコード等もあって、この辺は容赦なく「いらないもの」へ。だんだん最初の頃に比べて、「いらないもの」の思い切りがよくなってきた気がするのだけど、それは「どうしても欲しいもの」「保留」の分だけで、すでにおそろしい量になっているからなのだ…(汗)。
 でも、ブラームスの交響曲とかシューマンのピアノ協奏曲、シューベルトの歌曲等、相変わらず定番なのも出てきて、これがまた「どうしても欲しいもの」「保留」の方に加えられていく。しかし、もったいないのは百も承知だが、こんなに持って帰っても置く場所がないよなぁ…(滝汗)

 Sさんは別室で片づけをしながら、時々様子を見に来てくれたのだが、今回はヘルパーさんもいなかったので、つい話に花が咲いたりした。戦後まもなくの料理本を見せに来てくれたり、お父様の思い出を語ってくれたり…。実家の片付けだから、Sさんもいろいろなことを思い出して懐かしいのだろうと思う。
 「父は毎日のようにこの書斎で切手コレクションの整理をしながら、レコードを聴いていたの。私はよく向こうの床に座って、新聞を読んでいたわ。私のクラシック音楽の知識は、ほとんどこの時に得たものなのよ」とSさん。ドイツの音楽愛好家って、こういう羨ましい環境で育っている人が多いんだよねぇ…本当に。
 もちろんSさん自身も、お父様のコレクションの中から自分用のレコードをすでに選び出してある。主にカラヤンのレコードとのこと。あと、詩の朗読のレコードも見つけて、取ってあるとのことだった。

 1時間かからずに全てのレコードを見終え、いよいよ「どうしても欲しいもの」「保留」の分のレコード見直しを。最初の頃に「どうしても欲しいもの」に入れたものも、他のレコードを山ほど見た後では優先順位が変わっていて、「いらないもの」となったりした。それから、「保留」の方は容赦なくかなりの量をカット。無論、ドイツ民謡やミュージカル、オペレッタ、クリスマスソングなどはほとんど「いらないもの」行きとなった。
 こうして1時間かけてかなりの量をカットし、最終的に私が持って帰ると決めた分は…

LPkakutoku

この2つの山 プラス 一袋。
 …これでもかなり思い切って減らしたんだけどなぁ…(滝汗)


 一袋分は「即持ち帰り用」。話のネタ(もしくはブログのネタ…笑)になりそうなレコードと、少し小さめの10インチサイズのレコードを入れたのだが、いざこの袋を持ってみたら、ずっしり
 Sさんにも「大丈夫?袋が破れたりしないかしら?」と心配され、手提げ状態ではなく、抱えて持って帰ることにした。それにしても、レコードってこんなに重かったっけ…?まさしく、お宝の重み!!(笑)

 
こちらが持ち帰り分。

LPkakutoku2


 Sさんにお礼を言い、運搬のことについて少し話した上で、Sさんのご実家をあとにした。

 こうして一気にレコードの増えた我が家…。Sさんのご主人がレコードを運んでくださる日までに、収納場所を考えておかねばならない。
 うーん、ここはやはり…CDプレーヤーを追放するしかないか!?(ぉぃ

 冗談はともかく、せっかく手に入れた「お宝」、大切にして聴きたいものである。今まではレコードのお手入れ用品をちゃんと揃えていなかったのだが、それも購入しておかないとなぁ…と思った私であった。どこかで手に入れられることを祈りつつ…。







トレジャーハンティング その1

 皆様、お久しぶりですm(_ _)m
 コメ欄を読んで下さっていた皆さんはご存知と思いますが、我がPCのハードディスクが重傷を負い、3月末から恐ろしく動作が不安定で遅いのをなだめなだめバックアップしていたのですが、4月末についに起動しなくなってしまいました。
 ハードディスクを換装し、OSインストールから全部やりなおしてPCは復活したものの、なかなかこちらのブログに取り掛かれずにいました。楽しみにして下さっていた方がいらっしゃいましたら、本当にすみませんでしたm(_ _)m
 イースター~5月までの期間には、3つほどどうしてもアップしたいネタがあるので、ぜひ書きたいと思っております。


 さて…この記事も実は「過去記事」、数日前の話。(日付はその日にしています^^)


 先日、シュテックフェルトでの合唱練習が終わったあとで、合唱団員のSさんが私のところに相談にやってきた。何でも、お父様が亡くなられて、その遺品である大量のクラシックレコードの処分に困っているのだという。「何枚ぐらいあるの?」と聞いたら、「300枚ぐらいは確実に…」とのこと(汗)
 今やCDの時代。レコードプレーヤー自体持っていない人も多く、引き取り手はなかなかない。業者もジャズ等のレコードは引き取ってくれてもなかなかクラシックのは引き取ってくれないというのだ。このままでは捨てるしかないので、本当にもったいないとのこと。
 「私、レコードプレーヤー持ってるから、すごく興味があるんだけど…」と言ったらとても喜んでくれて、欲しいレコードは無料で譲ってくださるという。そこで、早速今日、Sさんのご実家へ見に行ってきた。

LPhakkutsu1  家を引き払う準備をしているらしく、家具から物が出され、あちこちに積み上げられた状態の部屋。そしてレコードはこの通り…!
 きちんとジャンルごとに箱やファイルに収められ、整理されている。これだと300枚…あるかな!?と思った私だったのだが、何はともあれ作業に取り掛かる。
 当のSさんは、ヘルパーさんと一緒に隣の部屋で片づけをするからとのことで、ときどき様子を見に来てくれた他は、一人でゆっくり宝探しをさせてくれた。

 まず出てきたのが、ミュージカルやオペレッタ、ドイツ民謡やクリスマスソングのレコード。私の専門外なのだが興味はあるし、聴くのは好きだ。勉強のためにもらっておこうかな?とも思ったが、何せこの先どんなものが何枚出てくるかわからない。そこで、「どうしても欲しいもの」「保留」「いらないもの」の3つに分類することにして、さっそく保留の方に置いた。
 交響曲や協奏曲、室内楽の方では、全く私が名前も知らないようなオーケストラや指揮者、演奏家のものが結構出てきた。こういうのは判断に困ってしまう。私が不勉強だから知らないだけなのかもしれないし、後世に名が残るほどでなくてもいい演奏家はいるだろうから、単純に「知らないからいいや」と片付けるには躊躇してしまうのだ。この辺は職業病かもしれない…(苦笑)
 無論、知っているのもたくさん出てきた。例えばカラヤン、ベーム、フルトヴェングラー、モントウ、クナッパーツブッシュ、トスカニーニといった指揮者が、ウィーンフィルやNBC交響楽団を振っている「定番」の録音。ブーレーズのドビュッシー録音やコルトー&ティボー&カザルスのピアノトリオの録音。この辺は捨てられてしまうともったいないので、「どうしても欲しい」方へ入れる。

 途中で、裸のままのレコードがたくさん入った大きな箱が出てきた。中に小さな缶がいくつか入っている。ちょうどそれを見つけた時に、隣の部屋からSさんが様子を見に来てくれた。「あ、その缶はグラモフォンのレコード針よ。そして、その箱の中のレコードは78回転の当時のものなんだけど…」(注:グラモフォンに関してはこちら を参照)
 うひゃ~、実物は初めて見たかも。貴重!!とか思いつつも、いかなる私でもさすがにグラモフォンは持っていないため、この箱はスルーすることに^^;

 テーブルの上のレコードに大体目を通しただけですでに2時間近く経過。たまたま部屋に顔を出したSさんに、「そろそろ終わりそうよ」と声をかけたら…「実はそのテーブルの後ろの棚に、まだあるんだけれど…」
  覗いてびっくり@_@ テーブルに乗っかっているのと同じぐらいの量のレコードが棚の中&棚と棚の間に置いてあるではないですか!!(写真は一部のみ… 実際の量はこの倍ぐらい^^;)


LPhakkutsu2
LPhakkutsu3
 

 ……これって、300枚という量ではないのでは……@_@;

すみません。甘く見てましたm(_ _)m

しかも、こっちにこそお宝が多く隠れていたのである。何せ、サヴァリッシュが指揮したワーグナーオペラの、バイロイト音楽祭での録音やら、ベームのモーツァルトの「魔笛」全曲録音、フルトヴェングラーのベートーヴェンの「フィデリオ」全曲録音なんかが次々に見つかったのだ。ピアノ曲、合唱曲もいろいろ出てきた。
 ありがたいことに、運搬の心配はしなくていいとのこと。Sさんのご主人が車で私の家まで運んでくれるというのだ。でも、すでにもうかなりの量が「どうしても欲しい」グループに入っているというのに…ひえ~(汗)

 3時間経過して、結局仕事に行かねばならない時間になったので、Sさんに「残念だけど、全部見られなかった…」と言ったら、月曜日にもう一度見に来ていいよと言ってくれた。
 というわけで、お宝発掘は来週に続く…^^; にしても、こういうお宝な音楽が普通に流れている環境の家に育ったSさんが、ちょっと羨ましいなぁと思う私なのであった。