ついにやっちまった…(笑) | さいちゃんの教会音楽な日々

ついにやっちまった…(笑)

 事の始まり(?)は2週間前、前回のシュテックフェルトでの合唱練習の後。
 前回の練習日、6月19日はサッカーのドイツ戦だったので、合唱練習をいつもより30分早く終えた。サッカーファンが観戦のため大急ぎで帰ったあと、椅子の片づけを手伝ってくれた団員のおじさんたちとしばらくダベっていた。
 合唱団の次の出番は、7月13日のローテンベルク教会での礼拝なのだが、そこで歌う曲の話になった。シュテックフェルト教会のJ牧師の提案で、合唱団の元指揮者であり、亡くなった引退牧師H氏(2006年9月21日の記事 参照)の作った讃美歌"Ich bin verknügt, erlöst, befreit"(私は楽しまされ、救い出され、自由にされている)を歌うことになったのだが、その歌について一人のおじさん曰く、


 「残念だよなぁ。この歌をH氏が四声(合唱用)に編曲していなくて。」



 ……!!


 そか(*゚Д゚) 四声にするのは私がやればいいわけだ。


 幸い、6月26日は合唱練習が休みで、2週間あるし余裕♪なんてその時は思っていたのだが…いつものように寸前にならないと尻に火がつかない私のこと、ようやく作業に取り掛かったのは昨日であった(苦笑)
 言葉のリズムやアクセントに気をつけて和音やリズムを決める、という初歩的な部分はもちろんだが、礼拝まで残りの練習が2回しかないし、あんまり難しくしたらきっと歌ってもらえないよなぁ…と思ったので、なるべく各声部の音があっちこっちへとばないように気をつけながら曲を書いてみた。やろうと思えばいくらでも複雑に出来てしまうものなのだけれど、意外に単純かつきれいな編曲をするというのは難しい。
 といいつつも、四声にする作業自体は3時間ほどで終わった。でも、自分で書いた楽譜はほとんど「スケッチ状態」なもので、歌ってもらうにはキレイに清書せねばならない。(もちろん今日、音楽ソフトウェアなんてものもあるわけだが、実は持ってない^^;)
 更に合唱曲は何が大変って、音符の下に歌詞をきちんと書かねばならない。それをミスなくやるのは本当に手間のかかる作業である。仕事の合間に時間を見つけては楽譜を書き、間違っては修正液塗りまくりながら、合唱練習開始20分前になってようやく完成!!牧師館に駆け込み、「うわ、これは大変な作業をしたもんだね@_@;」とJ牧師に目を丸くされながら、コピーしてもらう。

 で、いよいよ合唱練習。私をこの作業に駆り立てた(!?)おじさんは、この日休みだったのでちょっと残念。
 「四声にしてみたけれども、どんな風に響くか歌ってみないとわからないです。もしかしたら練習の後で『私はなんとゆー駄作を作ったんだ、やっぱり歌うのやめよう』って言ってるかもしれないけれど(←ここで笑いを取る^^;)、とりあえず練習してみましょう」と言って、練習開始。
 今回私が作った合唱版では、ソプラノがいつも讃美歌のメロディーを歌うようになっている。すでに前回の練習でメロディーの音取りは終わっていたので、他のパートの音取りをしてソプラノと合わせるというやり方で練習していったのだが、最初に二つの声部を合わせた時に合唱団のメンバーの目の色が変わった。どうやら気に入ってくれたようである。最初の部分を四声で合わせた時には、あちこちから「キレイ~!」「いいよねぇ」という声が聞こえたので、私も嬉しくなって調子に乗ってしまった^^;
 一通り歌い終わったら、みんなが拍手してくれた。私自身も、意外ときれいに響いたので驚いた。(←本人が驚いてどうする…爆)しかもなるべく難しくならないように作ったかいがあって、7月13日のローテンベルク教会の礼拝に間に合いそうだ。
 更に合唱団の方から、「これは絶対、うちの教会の礼拝でも歌わなくちゃいけないわよ!」という声が…^^; 「歌わなくちゃいけない」って、そこまで言っていただけるなら本望でございます(*^ ^*) ぜひ歌ってやってくださいまし。

 大学の作曲法の授業でこの手の作業はさんざんやらされるので、メロディーに和音をつけて四声に編曲するのには慣れているけれども、書いた曲を実際に合唱団に歌ってもらうのは今回が初めてだ。だから、「歌ったらどういう響きになるか」をイメージしながら書くのに、実は苦労していた。でも、大学で机上でやっていたことが、実際に役に立つと今回はっきり証明されたと言える。やはり大学ではいい勉強(=職業訓練)をさせてもらったなと実感させられた。

 編曲も含め曲を書くことも、実は教会音楽家の仕事の一部である。大先輩たちは、毎週のように礼拝に向けて曲を書いていたのだ。しかも、次の週の礼拝に呼び寄せるのが可能な歌手・合唱団・楽器の編成で、臨機応変に曲を書いていたのである。今日の教会音楽家は、やろうと思えばその過去の遺産だけで十分礼拝の仕事をこなしていけるのだが、今でも自分の持っている合唱団向けに曲を書く教会音楽家もたくさんいて、曲はどんどん増えている。

 そういう意味で


 ついにやっちまった…


 な気分(爆) まさか自分の合唱団のために曲を書くなんて、今まで全く想定してなかった…^^;

 でも、考えてみると作曲法は、ピアノ科の頃からずっと私の得意科目でもあった。基本的にこういう作業が好きなのだと、改めて今回思ったのであった。また機会があったら、ぜひやってみたいと思う。