さいちゃんの教会音楽な日々 -5ページ目

Frohe Ostern!!



 皆様、イースターおめでとうございます♪



 せっかく生命の復活を祝う春のお祭り…なのに、朝起きてみたらシュトゥットガルトは雪で、家々の屋根が真っ白。暖冬が続いたあげく、イースターに雪…という、ここ数年お約束のパターンにまたなってしまいました…。


 私の方は、猛烈な仕事の山も、いよいよ残り少しになってまいりまして…心はすでに休暇先にあったりして♪ 明日の午前中仕事をしたあと、午後からオーストリアアルプスまでスキーに行ってまいります^^v
 と今朝ホイマーデンのD牧師に話したら、なーんと30日の礼拝の讃美歌がもうメールで送られてきて、「ここのところのたくさんの礼拝の仕事、ありがとう。オーストリアで雪と太陽を楽しんできてください」と書き添えてありました。たくさんの仕事があったのは私だけじゃなく自分もなのに、一行でこういう気遣いが出来るところがさすが牧師…。人間として見習わなくちゃ…と思わされたメールでした。
 余談ですが、明日の午前中の仕事を終えた後、D牧師も私同様、即刻休暇に行くそうです(笑)

 
Kiki-Kreuz1
 今年は、CSの子どもたちが十字架を作りました。タイルのようなものに受難と復活をテーマにした絵を描いて、それを張り合わせてあります。こちらは受難がテーマの絵が貼ってある側。
 余談ですが、手前に置いてあるノートのようなものは、手書きの「マタイによる福音書」です。ホイマーデン教会員が聖書を1人1章ずつ書き写して、最後には聖書全巻を完成させようという面白いプロジェクトがありまして…。見てみたら文章だけではなく、写真も中に貼ってあったりして、なかなか工夫されています。今、マルコによる福音書を、堅信礼準備コースの子どもたちが書写中とか。





Kiki-Kreuz2

 こちらは復活がテーマの絵が貼ってある側です。お日様とか、ひよことか、ちょうちょとか、かわいらしい絵がたくさんあります^^
 この写真は受難週に撮ったので、受難の側が前面になっていますが、復活祭の今日は十字架が裏返されて、復活の側が前面になっていました。



 私の方は毎年ながら、復活祭にはへろへろになって沈没しかかっているので、オルガン奏楽も特別なことはしなかったのでしたが… 本当は復活祭ぐらい、いろんなことをやってもいいんだよなぁ~とは思うところ。とりあえず、来年の目標にしようかな。(早く準備に取り掛からないとならないけれど…苦笑)


 さ、残すはイースター第2祝日礼拝の明日の仕事だけ~!そしてその後すぐにトンズラ(?)します。



 皆さん、どうぞ楽しいイースターをお過ごし下さいね!







希望を叶えるのも大変だ…!

 明日、ホイマーデン教会で結婚式が行われる。新婦さんにはまだお目にかかっていないのだが、新郎さんの方は大学教授(といってもまだ若い)で、日曜日に直接、オルガンを弾いている私のところへ奏楽を依頼しに来た。もちろん大歓迎なわけだが…この新郎さんから、「これをオルガンで演奏して欲しいんだけど」と渡された曲が、これ。

Carole King : Will you still love me tomorrow?



ピアノ伴奏&ヴォーカルの楽譜(↑上のアレンジとほとんど一緒)で、「歌も希望ですか?」って聞いたら、「いや、オルガンソロでいいから」という。で、楽譜もそこまでややこしくなかったし、私も結構油断して、ギリギリまで取り掛からずにいたのだが…。


いざ今日、本腰入れて取り掛かってみたら、これがオルガンじゃ全然きれいに聴こえないのだ!!(>_<)



…それでも2時間半ほど、努力はしてみた。



ああでもないo(゚д゚o)



こうでもない(o゚д゚)o





………………挫折_| ̄|○






アレンジのセンスがないんだか何なんだか。ぜーんぜん、きれいに弾けない。




かくなる上は、何も無理してオルガンで弾くこたぁない。
私はピアニストなのだ!!(←都合のいいときだけピアニストに戻る…^^;)



…というわけで、教会の集会所から電子ピアノをずるずる引きずってきて、弾いてみた。おお~、この方がずっといいぢゃん♪



後奏にと希望された、こっちの曲はオルガンでも結構いけるんだけどね~^^;

Carole King: Where you lead






…というわけで、明日は電子ピアノとオルガン両方で、結婚式の奏楽やってきます。

それにしても、教会音楽家ってホントに何でも屋だなー、と改めて実感したのでありました…。
ポップ&ゴスペル系の讃美歌伴奏する機会がこれ以上増えるなら、ギターも再開したいんだけどなぁ…^^;



※ ここ1週間の間に、過去日記を執筆、という姑息な手段に出る予定なので、特にミクシィから来ている皆様、「なんで更新に気がつかなかったんだろう?」などと驚かないで下さいませ。




久しぶりにショパン

 ホイマーデン教会の年間行事の中で、私が「ピアニスト出演」をする数少ない行事の1つが、毎年2~3月に行われる「バラードの夕べ」
 「バラード」とは、「主に人間の遭遇する運命的な出来事を物語った詩」である。時にはユーモアたっぷりに、時にはちくりと皮肉をこめて、人間の生き様や死を描いたバラードをドイツの学校では教わり、暗誦もするらしい。そういった懐かしの詩から、有名ではないけれど興味深い詩まで、毎年教会員の有志何人かが持ち寄って選び、その詩の朗読の合間にピアノソロや、歌曲も入れて1つのプログラムにまとめたのが「バラードの夕べ」である。私がこの教会で働き始めてから出来た行事だが、今回で7回目…と聞いて時間のたつのは速いなぁ^^; と思った次第。

Ballade08
 さて、毎年選曲にとても悩む私なのであるが、今回はショパンの曲を2曲選んでみた。1曲目は「ワルツイ短調」(作品34-2)、2曲目は有名どころで「雨だれの前奏曲」である。
 ワルツイ短調は、ショパンのワルツの中でも地味な作品なのだが、とても深い悲しみがこめられている。成就しなかった恋を語った作品だと言われており、ショパンはこの曲が生涯お気に入りだったという。この作品を、恐れ多くも私は小学校3年生の時に弾いた。……当然、小学校3年生に成就しなかった恋の悲しみがわかるわけはないのであって、弾いたことは弾いたのだが、音楽的な深みは何一つ表現できていなかった。「バラードの夕べ」のための選曲にあたってふとこの曲を思い出したのは、私自身が成就しない恋を諦めなくてはいけない運命にあるせいかも…なーんてね(ぉぃ^^;)
 小学校3年生の時の演奏のリベンジ(!?)をはかって、このワルツイ短調に再トライしたわけだが…いやはや、難しいのなんのって。ゆっくりと悲しみを語り始め、やがて美しい思い出や、楽しかった記憶も語られるののだが…その「希望」が全て打ち砕かれ、取り返しのつかない現実の前に、大きな痛みを持って曲が終わる…という、そんな流れなのだ。
 ショパンの書いた悲しみの音は幾度となく私自身の心も突き刺したから、練習している時に何度泣いたかしれない。そうやって、書かれた音を頭でだけではなく、心で理解しようとする作業は、私にとって不可欠な「音楽的作業」だ。そうやって理解したものを、どのように聴衆に伝えるか考えていく。例えば、同じメロディーが2回出てきたときには、1回目と2回目の違いをどう出せばよりよく言いたいことが伝わるか。音の大きさは?テンポは?音色は?等…数限りなくある表現の可能性から、もっともよいと思われるものを選び取って練習していく。
 「雨だれの前奏曲」の方が、音楽的には「ワルツイ短調」より感じが掴みやすかったのだが、どっちにしてもこの2曲は指を速く動かすという意味でのテクニックは必要ないものの、音色による表現力が必要とされる曲である。もう1人ピアノを弾く出演者がいて、そちらがロシア系の大胆にピアノを叩きまくる演奏なので、かなり意図的にこういう選曲にしたのだが…音色の繊細さを売りにするのも疲れるよ~^^;

 というわけで、1週間ほどかなり集中してピアノを練習し、本番に臨んだわけだが…おかげさまで非常に好評だった。「ワルツイ短調」はプログラムの冒頭で弾いたので、私自身も緊張していてぎこちなくなり、表現の幅が狭まった感があったが、プログラム第一部の終わりに弾いた「雨だれ」の方はリラックスして弾けた。(これはもちろん、「雨だれ」の方が弾き慣れたレパートリーだというせいもあるのだけれど。)
 バラード朗読の方も、私には1回聴いただけではイマイチ意味の取れない難解なものもあった(とくに方言の詩は難しい!!)が、印象に残った詩もたくさんあった。例えば不慮の事故で亡くなってしまったお母さんが、天国の扉の前で「どうして私は死んでいるのだろう、もうすぐ息子が帰ってきて嘆くだろうに…」と家族ややり残した家事のことを心配する詩。「もし死んでいなかったら、もうすぐ夕食なのに…!」という最後の一言が、笑いと同時に哀れさを誘う詩であった。他に、息子の心臓病を治すために母と息子が無理をして聖母マリアゆかりの地へ巡礼に行ったものの、その晩宿に聖母が現れて息子を連れて行ってしまうという悲しい詩から、メルヘンの「カエルの王子様」をもじった詩、しまいに狼と同じ穴に落っこちるハメになっても一個の卵を死守したおばさんの詩(これはかなり笑えた^^;)まで、変化に富んだいいプログラムだったと思う。

 「雨だれ」はちょっとした本番でまた弾く機会があると思うが、「ワルツイ短調」にもぜひいつかまた挑戦してみたい。今度の時はもうちょっと、取り返しのつかない悲しみの恋を冷静に見られるだけの落ち着きが私に備わっているかもしれないし…ね(笑)







とりあえず日程をあげてみる。

 教会音楽家にとって、アドヴェント~クリスマスに続く第二のハイシーズン、



 受難節~イースター



 に差し掛かってきている今日この頃。今年はイースターが例年より早い3月23日なので、3月前半にありとあらゆる日程が詰まっていて、恐ろしい…。

 というわけで、イースターまでの日程を書き出してみることにする。

 3月2日(日) ホイマーデン教会:日曜礼拝(オルガン) & バラードの夕べ(ピアノ) 
 3月7日(金) ホイマーデンのお隣の教会:世界祈祷日(オルガン&キーボード)
 3月9日(日) ホイマーデン教会:堅信礼礼拝(オルガン)
          「故郷の家」ホールにて:ポーランドを故郷とするドイツ人礼拝(ピアノ)
 3月10日(月) ホイマーデン教会:堅信礼を受けた子達の聖餐式礼拝(オルガン)
 3月15日(土) ホイマーデン教会:結婚式(オルガン)
 3月16日(日) シュテックフェルト教会:棕櫚の日曜日礼拝(オルガン&合唱指揮)
 3月17日(月) ホイマーデン教会:受難週祈祷会(オルガン)
 3月18日(火) ホイマーデン教会:受難週祈祷会(オルガン)
 3月19日(水) シュトゥットガルト空港:イースター礼拝(キーボード&合唱指揮)
           ホイマーデン教会:受難週祈祷会(オルガン)
 3月20日(木) ホイマーデン教会:最後の晩餐礼拝(オルガン)
 3月21日(金) ホイマーデン教会:受難の金曜日礼拝(オルガン)
 3月23日(日) ホイマーデン教会:イースター第1祝日礼拝(オルガン)
 3月24日(月) ホイマーデン教会:イースター第2祝日礼拝(オルガン)


 …というわけで、今から皆様に予告。



 24日が終わり次第、休暇を取ります。



 山篭りでもしようかと画策中。





とんでもない男がいたものだ。

 タイトルが凄いのだが(爆)、この「とんでもない男」とは「女の敵のような振る舞いをする男」を指していっているのではない。そういうのは「とんでもない男」ではなく、「救いがたい男」というのである(ぉぃ^^;)。

 今日のタイトルの「とんでもない男」というのは、ズバリ





 J.S.バッハ



 
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 …そうです、アナタのことです。


 本日、例の5声フーガ(1月26日のエントリ 参照)の譜読みを終えるべく、突貫工事にかかった。礼拝の後、午前11時に練習を始めて、何と午後4時半ごろにやっと何とか通して弾けるようになったのだが…
 やっと譜読みを終えた感想は…いやはや、



 おっそろしい曲だ_ _;



 書いた本人は絶対に、この曲にありとあらゆるフーガの技法を盛り込むのが楽しくて仕方なかったに違いない。演奏する側からすれば「ここまでやるか!!」と言いたくなるような徹底ぶりだ。凄い密度でテーマが重なり合っていて、気が抜けない。どういう頭をしているんだ、この人は。
 しかもこの曲、非常に地味で淡々としている。聴いている人に、実はとんでもない技法が使われていると悟らせてはいけない、といわんばかりだ。…って、練習にこれだけ時間がかかって、その「とんでもなさ」が聴衆に伝わらないなんて、何て報われない曲なのであろうか(苦笑)

 でも、私が思うに、バッハは絶対


 確信犯。



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    …みたいな。


 とにかく、今日はよく練習した~~~!結局、教会を後にしたのが午後6時。途中、軽食休憩やトイレ休憩をしたにしろ、6時間半は確実に練習している。今週はよく休んでいたせいか、集中力もものすごくあった。毎日これぐらい練習すれば、もう少し上達しそうなんだけどねぇ^^;
 いっそのこと、お弁当持参での日曜礼拝後の練習を習慣にしようか、冬でも暖房入った後だから暖かいし…なんて大真面目に考えた私であった。