夏の合唱プロジェクト会議 | さいちゃんの教会音楽な日々

夏の合唱プロジェクト会議

 今日は夕方から合唱団「ダ・カーポ」の代表者および牧師との会議。7月3日に再び礼拝で歌うのだが、その選曲が主な議題である。他に、メーリンゲン地区教会音楽支援金についての会議に出席していた教会役員(兼合唱団員)から、何かそれについての話があると聞いていた。


 まずは教会役員の人が時間がないというので、先に支援金についての話をしてもらう。早い話がお金がなく、支援金の枠も狭めないといけなくなったのだが、弱小寄せ集め合唱団であるわれわれはとても分が悪く、今まで1年に225ユーロもらっていた支援金を削除される可能性が高いというのである。それをさせまいとこの役員の人が会議で大奮闘してくださっているわけだが、その大奮闘を続けるにはやはり合唱団側の積極性も問題になる、という話であった。

 具体的には、一つに現在合唱団への参加者が少なく、毎回歌えるかどうかギリギリの人数になっているのはまずい、ということ。せっかく大奮闘して支援金を確保したはいいが、合唱団のほうが立ち行かなくなりました、ということになってしまったら、この役員の人の面目丸つぶれである。だから、積極的に人集めをして、「これだけ歌いたい人がいるんだ!」ということを示して欲しいということ。

 二つ目に、合唱団から地区の音楽プロジェクトへの参加が少ないということ。メーリンゲン地区の他の教会で行うプロジェクトや、教区のトップが行う音楽プロジェクトへの参加者がいないと、どうしても合唱団としての影が薄くなる。だから必ずそういう催し物について団員に連絡し、参加するようにして欲しいとのこと。

 三つ目に、合唱団として支援金集めのチャリティーコンサートが出来ないか、という提案。支援金をもらうばかりではなく、自分達からも集めるような催し物をすることによって、地域の教会音楽を資金面でも支える働きを担うということである。

 ドイツにはドイツ流の「筋の通し方」というか、世渡りの仕方があるのだなと興味深いのだが、私ももちろん指揮者として出来ることをしないといけないであろう。人集めはメーリンゲンに住んでいないので難しいが、他プロジェクトへの参加はもちろん出来る。4月に教区のトップが行ったゴスペル・プロジェクトに参加しておいてつくづく良かったと改めて思った。チャリティーコンサートの指揮はもちろん私の仕事であろう。

 合唱団代表から、「その支援金が削減されると、指揮者のお給料に影響が出るんですか?」という質問が出てくれて、自分では聞きにくかったので助かった。私のお給料はそもそもその支援金と関係ないところから出ているので、大丈夫とのことである。支援金の使い道は、楽譜や備品の購入、飲み物代等なのだそうで、これは削減されてしまってもそこまで合唱団の活動そのものに影響は出ないだろう、という結論に達した。

 また、3月にお隣の教会の礼拝でも歌ったが、その回数を増やしてお隣の教会を味方につけられないか、という話になり、急遽7月も2回歌う方向で考えることになった。お隣の教会もすっかり巻き添えという感がしないでもないが、支援金の大部分を独り占めして大きなコンサートばかりやっている、もう一つの合唱団への反発がこの話の背景にあるのがちらほら感じられる。教会音楽界で仕事をするとなると、支援金を分捕るためのこの手の駆け引きにもきっと慣れないといけないのだろうな、と思うと頭が痛い_ _;


 さて、お金と駆け引きの話(苦笑)が終わったところで、ようやく選曲である。今回は年に一回の教会祭の礼拝で歌うということになるが、お隣の教会でも歌うことになるとこちらの教会の都合ばかりで曲を決めるわけにはいかない。やはり無難な線で「どんな礼拝にでも合う曲」になってしまう上、うちの合唱団でも歌えるレベルの曲を選ばないといけない。

 今回はゴスペル系の曲を選ぶということはもう事前に決まっていたのだが、ゴスペル系の曲にはやはりピアノ等の伴奏が入る。ドラムやベースがあるともっと雰囲気が出るし、曲によっては旋律楽器も必要で、そうするとその楽器を演奏する人が手配可能か、も問題になってくる。おまけに、我らが頼もしきテノール君たちはともかく、バス君がいるかどうかも問題で、もしテノール君たちしかいないのであれば低い音域の曲は選べない。

 結局あーでもないこーでもないと検討した末、4曲を選んだ。1曲は英語のゴスペル、"Heaven is a wonderful place"。英語の発音調べておかなくては…(大汗)残りの3曲はドイツ語のゴスペル系讃美歌を合唱用に編曲したものである。1曲はバスが絶対に必要な曲なので、もしバスが歌いに来なかったらカットするということになった。楽器はピアノとヴァイオリンを手配することにして、合唱団の代表の人が問い合わせることに。

 この合唱団のありがたいところは、合唱団の代表者がチラシを作ったり、誰が歌うかを取りまとめてくれたり、いろいろな手配をやってくれるところである。下手な合唱団であれば私がすべてやらないといけないであろうから、本当に助かっている。と同時に、こんなにいろいろやることがあるんだ、ということを思い知らされて、とても勉強になっている。いつか自分でやらなくてはならない合唱団を持つようなことになったら、今の合唱団での経験はものすごく役に立つだろうと思う。


 ともかく、ゴスペル系の曲を指揮するのは初めてだし、次のプロジェクト開始に向けて準備を始めなくては!プローべ開始は6月6日。まだ時間が少しあるとはいえ、気を抜かずに準備しておこうと思う。