受難節プロジェクト開始! | さいちゃんの教会音楽な日々

受難節プロジェクト開始!

 今日から寄せ集め合唱団「ダ・カーポ」の受難節プロジェクトのプローベ(練習)開始である。本番は3月13日・20日の両日で、メーリンゲンの2つの教会の礼拝で歌うことになる。
 よりによって雪が降って、思いっきり積もっている。前回のアドヴェントプロジェクトの第1回プローベも雪の日だったよなぁ、と思い出しながら、何とか練習会場の教会にたどり着いた。合唱団用の楽譜がかごに入って置かれてある。この教会のW牧師(おっとりした女性牧師である^^;)が、隣りの教会まで行って借りてきてくれたのだ。

 この合唱団、プロジェクトごとに案内を配って歌い手を募るのだが、今回は女性12人、男性4人の申し込みがあったと聞いていた。男性4人ということは、テノール2人にバス2人?と前回の顔ぶれから予想していたのに、行ってみたらなんとテノール4人!!!!全国的なテノール不足で有名なドイツであるからして、これはほとんど奇跡である。……と感心している場合ではない。開始前に合唱団の代表とちょっと話をして、4曲用意してあったうち、4声のハスラーの"O Mensch, bewein sein Suende gross"は急遽諦めることにした。もう一つ4声の曲、テゼ共同体の"Nada te turbe"があるが、これは難しくないしなんとかなるだろう、という結論に達した。他2曲はソプラノ+アルト+男声の曲である。

 雪のせいか定刻には10人ぐらいしか来ていなかったのだが、とりあえず発声練習をはじめたら、何人か後から入ってきた。
 15分ぐらいかけてしっかりと発声練習をした後、まずは"Jesu, deine Passion"(イエスよ、あなたの受難を)から。有名な受難節のコラール(ヴルピウス作曲、1609年)なのだが、まずはピアノで伴奏しながら全員にコラールを歌わせてみたら、意外と自信なさげに歌っているので少し心配になる。
 3声の合唱曲に編曲したのはペツォルトで、1982年だから最近のものだ。アルトの音取りをしたが、おばあちゃん2人なのにとてもしっかり歌ってくれている。それから男声の音取り。これも我らが4大テノール(爆)が最初にしてはまあまあの音程で歌ってくれた。さて、とソプラノを歌わせてみたら、コラールのメロディーしか歌う必要がないのに、何ゆえかヨレヨレではないか。一番人数の多いパートなのに、しっかりしてよね…_ _;
 見るに見かねたアルトのおばあちゃん達が一緒に歌って音取りを手伝ってくれ、何とか歌えたので、ピアノで伴奏しながら3声で歌わせてみる。他の声部が聴こえてくると、とたんに危なくなったのが男声。アルトのおばあちゃん達は健在である。

 あちこち直しながら一通り歌えたところで、次の曲に移る。"Du schoener Lebensbaum"。新しい讃美歌作者として有名なトラウトヴァインが、17世紀のハンガリーの歌を1974年にドイツ語用に編曲したものである。(日本語版は讃美歌21の314番「神の国の命の木よ」)3声に編曲したのはアンガーで、1991年。これはさすがに知らない人も多いと思ったので、時間をかけて各声部の音取りをした。"Jesu, deine Passion"よりはるかに問題が多いだろうと思ったのに、思ったほどでなくてホッとする。これも、ピアノ伴奏付きで一通り歌えるところまで持っていく。

 ここまで来たら、もう残り時間が15分になってしまった。慌ててテゼ共同体の"Nada te turbe"の練習に入る。ドイツ語の歌詞とスペイン語の歌詞両方がついていて(原語はスペイン語)、ドイツ語で音取りを始めた。この教会ではもう何度も歌っているので、メロディーはみんな知っているらしく、一安心。打ち合わせではドイツ語だけ歌うことになっていたのに、やはりスペイン語も…という希望が出た。しかし…やばいことに発音指導の準備をしていない!私はこの讃美歌を知ってはいるが、見よう見真似の「似非スペイン語」で今まで歌っていたのである(汗)
 ところが!強い味方がいたのである。我らが4大テノールの中に、この合唱団唯一の外国人の歌い手がいたのだが、なんと母国語がスペイン語なのだそうだ。まさしく素晴らしい天の助けである!とりあえず、発音の質問には彼に答えてもらって、この場は切り抜けた。

 こうして、第1回プローベは何とか終了。今日はものすごく身体がだるくて、どうなるかと思っていたのだけれど、ひとまずホッとした。次のプローベまでに、体調を整えていろいろ準備しようと思う。