第1回マティネー当日 | さいちゃんの教会音楽な日々

第1回マティネー当日

 いよいよ今日は第1回マティネー。といっても礼拝は普通どおりあって、それが本番直前なので何となく気が散ってしまう。
 礼拝は10時からなので、9時15分ごろからサキソフォーンのB氏と最後の合わせ。テンポが途中で変わらない曲は最初の部分だけ、変わる曲はその部分も入れて、少し長めに合わせる。あっという間に礼拝開始5分前になって、私は礼拝準備に頭を切り替える。いつものように前奏を即興するので、始める前に一番集中力が必要なのだ。
 ホイマーデン教会の礼拝は、我らが牧師の「簡潔でわかりやすく無駄のない」説教(これが3拍子そろった説教というのはすごいとしか言いようがない!芸術の域に入っていると思う)のため、他の教会に比べて短い。10時45分には礼拝が終わり、B氏がオルガンのところにやってきた。調律をしたりしながらひと休憩入れる。オルガンは2階席にあって、そこにはほとんど人がいなかったのだが、1階席の方を見たら意外とたくさん座っていたのでほっとした。

 11時5分前、牧師が「もういいだろう」といった感じで合図して出てきて、挨拶をしてくれた。その挨拶でマティネーをすることになった経緯を説明したのだけれど、「去年、うちのオルガニスト(注:私のこと)が僕のところに来て言うに、礼拝と昼食会の間の空いた時間を埋めるのに、僕が長く説教するか、マティネーを行なうかどっちかにしたらどうだろうというので、即座に『マティネーの方がいいと思う』って答えたんですよ」だそうで(爆、そんなこと言ってないっちゅ~に)。そうやって適当に集まった人を笑わせて、雰囲気を和らげてくれ、このマティネーが今年は継続して行なわれること、また今日の収益の行き先等、肝心なことをアナウンスしてくれた。
 スマトラ島沖地震のことを意識していたため、1曲目はコレルリの「アダージョ」という静かな短調の曲だったのだが、その最中に11時の鐘が鳴ってしまったのは残念だった。やはり11時の鐘が鳴り終わってからマティネーを始めるべきなのだろう。フランソワ・クープラン、ラモー、マルティーニ、ルクレール、グルックの曲を次々に演奏した。上手くいったもの、事故のあったものといろいろで、長かったような、あっという間だったような…。最後はヘンデルだったのだが、あまりにその準備のために時間がかかったので、サキソフォーンが吹き始めると同時に拍手が入ってしまって、もう一度やり直すというハプニングも。
 終わった後、拍手が結構長く続いて、それだけで聴衆が喜んでいることが伝わってきた。実際、この後でみんなから「良かったよ~」「普段あまり聴く機会がない曲ばかりで興味深かったよ~」と声をかけられた。唯一言うなら「オルガンが2階席の後ろにあるから、演奏者の姿が見えないのが残念」だそうで。B氏が冗談で「次の時は祭壇にスクリーン設置して、ビデオカメラで写しながらやろうか」とか言っていたが、確かにパイプオルガンの問題点は「絶対に移動できない」ことかもしれない…^^;

 牧師曰く「マティネーの企画自体、すごく評判がいいよ」とのこと。今回は実は、私も教会のみんなも完全にクリスマスボケしていて、教会の行事予定表には載っていたものの、宣伝らしきことは3日間ぐらいしかやっていないのである。休暇の期間中で、家にいない人も多かった。それでいて、牧師が数えたところによると35人来ていたというからいいスタートである。マティネーだけに来ていた人もいたそうだ。
 更に、昼食会だけに顔を出した人に「ねえ、この次は11時においでよ!マティネーがあるんだよ。今日すっごく良かったよ~」と宣伝してくれている人もいた。ポスターを貼るよりもずっと強力な宣伝方法がこの「口コミ」である。次回マティネーは2月6日、プログラムは「イタリアのオルガン音楽」なのだが、もしかしたらお客が増えるかも!?とちょっとだけ期待。

 マティネーを終えてお腹がぺこぺこになったところで、自分で料理しなくても美味しい昼食を頂けるというのは、演奏者としてと~ってもありがたい。今日のメニューはミートローフと幅広パスタ、マッシュルームのソースつき。デザートにはレモンソースつきチョコムース。しっかりとお味を堪能させていただいた。昼食のご褒美つきマティネーは嬉しいかも(笑)

 と嬉しい成功だったが、マティネーの録音を聴いて、あとで結構滅入ってしまった。「こんな風に聴こえていたのか!!ごめんなさいm(_ _)m」って感じである。昔、大学のオルガンの教授が「オルガンの一番嫌なところは、演奏台ではほんのちょっとしたタッチの違いが、大きな差となって聴衆に届くこと」だといっていたが、全くその通りだと思わざるを得ない_ _;この失敗は、次の時に活かさねばなぁ…。