ダイヤモンド婚式!です☆ | さいちゃんの教会音楽な日々

ダイヤモンド婚式!です☆

 土曜日の朝から出動。今日は11時からKLさんのダイヤモンド婚式である。結婚60年!!しつこいようだが、つくづくすごいと思う☆

 折りしも晴れ渡ったいいお天気で、素晴らしい「ダイヤモンド婚式日和」である。お天気にも祝福されていていいなぁ、と思いつつ。

 10時半に会場の教会に着いたのだが、よぉ~く考えてみたらオルガンシューズを持ってくるのを思いっきり忘れていた。近頃、なんてたるんでるんだろう、と自分で自分を責めながら、仕方ないので普通の靴で弾くことに。ソロでシュッツの"Ich will den Herren loben allezeit"(すべての時に主をほめたたえたい)を歌うMKさんとオルガンで一度合わせた後、楽器をバスリコーダーに変えて(笑)アンサンブルに加わり、ヘンデルの合わせ。「花火の音楽」のリコーダー編曲である。教会内が寒いので、調律に一苦労。

 11時近くなって、KLさんご夫妻と参加者が会堂に入ってきた。KLさんのご主人は車椅子での参加である。

  

 11時の鐘が鳴って、リコーダーアンサンブルの前奏。ちょっと吹かないでいるうちにまた寒さで調律狂っちゃったよ、と内心ぼやきながら、息の具合で音程を調整。何せ私は今回唯一のバスリコーダーなのだ。低音が狂っちゃうと他のパートが大変である。

 何とか前奏が終わって、牧師の挨拶の間に大急ぎでオルガンのところへ移動。1曲目の讃美歌はEG334"Danke fuer diesen guten Morgen"(この良き朝に感謝)。ドイツの教会ではもうほとんど定着したとはいえ、元気のいいポップ調の新しい讃美歌なので、80代のご夫婦にしてはなかなかモダンな選曲!?と思いながら、楽しく伴奏。  

 祈りと黙祷、詩篇朗読があって、次の讃美歌はEG391"Jesu, geh voran"(イエスよ、先に立って)。人生の道の先に立って導いてください、という歌詞が、手を取り合って長い道のりを共に生きてきたKLさんご夫妻と重なる。

 説教テキストは詩篇118編の「主に感謝せよ。彼は慈しみ深く、良きものは永遠だから。」の部分だった。結婚60年…ということは、このお二人が結婚したのは1945年だった、ということに言われてようやく気づいた私であった。まさに終戦直前で、受難の金曜日にお役所での手続き、復活祭に結婚式だったのだという。KL夫人は現在のチェコの出身ときいて、プログラムに印刷されてある旧姓に目がいく。確かに東欧系の名前だ。大変な時代を共に生き抜いてきたお二人なのだと改めて思う。

 病気のご主人は今でこそ滅多に公の場所には顔を出さないが、長年の教会役員で、最後にはトップである議長を務めていたのだという。ヴュルテンベルク州教会で大きな働きをした奉仕者に贈られる、ヨハネス・ブレンツ・メダルをもらったこともあると聞き、素晴らしい活動をなさった方なのだなと知った。新参者の私が以前の話を知らないだけなのだ。現在の教会の主だったメンバーが顔をそろえてお祝いに駆けつけているのも頷ける。

 

 説教を通してお二人の歩みに思いをはせたところで、MKさんのソロで伴奏をする。それから牧師によるご夫妻の祝福。結婚の時と同じように、手を重ね合わせて祝福を受けるお二人の気持ちはどんなだろうと想像してみる。

 そして再びリコーダーアンサンブルの出番なので、慌ててバスリコーダーの準備。結構派手で元気のいい曲なので、みんなはりきって楽しく吹いた。それからとりなしの祈り、そして主の祈り。主の祈りの後にすぐ讃美歌なので、また慌ててオルガンの前に戻る。

 最後の讃美歌はお祝い事の時の定番、EG317 "Lobe den Herren, den maechtigen Koenig der Ehren"(栄光の力ある王、主をほめたたえよ)。やっぱりこれが来なくっちゃお祝いの礼拝じゃないよね、と思いながら輝かしい音色を使って伴奏。そして、祝祷・アーメン唱。

 オルガン後奏は、イタリアの作曲家Zipoliの派手(で簡単^^;)な曲にした。これはかなり好評で、早速KL夫人がお礼を言いにすっとんできて、ついでに曲名を聞き出していった。他にも何人かに聞かれたところを見ると、余程印象に残ったらしい。(カトリックのミサ用に書かれた曲なのだけど、やっぱりカトリックの礼拝音楽は華やかなものにしても悔い改めのものにしても、わかりやすく雰囲気を作ってくれると思う私。)

 

 全体として、とても素敵なダイヤモンド婚式の礼拝だったと思う。人づてに聞いたのだが、60年前の結婚式の日もこんな青空だったとか。

 お二人がこれからも手と手を取り合って、人生の日々を長く過ごせるよう、心からお祈りしたい。